道路は、私たちの生活に欠かせない存在です。
毎日の通勤や通学、車やバイク、自転車での移動、歩いて向かう買い物。その一つひとつを道路が支えています。
その先には、仕事場や学校があります。大切な人との思い出の場所があります。そして、生まれ育った故郷へ続く道路もあります。
普段は当たり前すぎて、立ち止まって考えることの少ない道路。しかし、そこには毎日、数えきれないほどの人や車が行き交っています。
あなたの日常に欠かせない道路は、どんな顔を持っているのでしょうか。一緒に探検してみませんか。
道路を「数字」で眺めてみる
国土交通省は、全国の道路がどのように利用されているかを把握するため、「全国道路・街路交通情勢調査」を実施しています。今回使用したのは、2021年度(令和3年度)の一般交通量調査と、同じ区間に対応する2015年度(平成27年度)の交通量です。
まずは、高速自動車国道と都市高速道路を合わせた「高速系」の変化を見てみましょう。
カードに示した「延べ交通量」は、全国に1億台を超える別々の車が存在したという意味ではありません。同じ車が複数の調査区間を通れば、その区間ごとに数えられます。それでも、比較可能な高速系の調査区間だけで、毎日延べ約1.1億台分の通行が積み重なっていることには驚かされます。
思ったより小さかった全国の減少幅
データを眺めて、まず意外だったのは、2015年から2021年にかけての交通量が、想像していたほど大きく減っていなかったことです。
2021年は社会の動きが大きく変化していた時期です。それでも、全国の比較可能な高速系基本区間を合計した減少率は8.9%でした。ただし、これは全国を一つにまとめた数字です。地方別に見ると、変化の大きさには明確な違いがあります。
地方によって異なる減少幅
地方別では、北海道が18.7%、東北が15.0%減少した一方、九州・沖縄地方は5.4%、中国地方は5.7%の減少にとどまりました。全国平均の8.9%と比べても、地域による違いが見えてきます。
同じ日本国内でも、道路交通量の変化は一様ではありません。人口構成、都市間の移動、観光、物流、産業、道路網の整備状況など、さまざまな地域事情が数字の背景にあると考えられます。ただし、この地図と集計だけで原因を断定することはできません。まずは「どこで、どの程度変わったのか」を知るための入口としてご覧ください。
身近な道路を地図で探してみよう
全国の集計だけでは、私たちが普段使っている一本一本の道路の姿までは見えてきません。そこで、2021年の公式調査データを9地方の地図にまとめました。
日本地図から都道府県を選ぶと、その都道府県を含む地方の道路交通量地図が開きます。
ご注意: この地図には、国の2021年道路交通量調査の対象となった道路区間だけを表示しています。
地図の使い方
地図では、次の4種類を横のボタンで一つずつ切り替えられます。
- 高速系:高速自動車国道と都市高速道路
- 一般国道
- 都道府県道:主要地方道と一般都道府県道
- 調査対象市道:国の調査に収録された一部の市道
地図を広く表示しているときは、近くにある調査区間を数字入りの丸にまとめています。地図をより拡大していくと、数字入りの丸が消え、交通量を示す小さな丸が一つずつ現れます。
気になる丸を押すと、その場所の2015年と2021年の平日24時間交通量が表示されます。さらに、その交通量が適用されている公式基本区間だけを、濃い縁取りのある蛍光みどりの線で確認できます。路線全体を色付けしているわけではありません。
路線名、都道府県名、調査区間名から検索することもできます。道路種別が異なる場合は、該当するボタンへ自動的に切り替わります。
この地図について
この地図は、生活道路を含む全国すべての道路を表示したものではありません。
特に市道は、すべての市道が調査されているわけではなく、政令指定都市などの一部の主要な市道が中心です。自治体が独自に実施した交通量調査もありますが、調査年、調査時間、平日・休日の区分、公開形式などが統一されていないため、今回の地図には混在させていません。
公式CSVには全国47都道府県の99,417基本区間が収録されています。このうち、国土交通省の公式WEBマップで代表位置と区間線を確認できた99,067区間を地図に表示しました。公式地図の区間ファイルが存在しない350区間については、位置や線を推測していません。
2015年との比較について
地図に表示した99,067区間のうち、2015年と2021年を比較できるのは94,246区間です。残る4,821区間は、公式資料に対応する2015年交通量がないため、2021年の数字だけを表示しています。
道路の新設や区間構成の変更などにより、2015年と2021年を単純に結び付けられない場合があります。確認できない過年度の数字を推測して補うことはしていません。
数字の向こうにある、あなたの道路
全国の減少率を見れば、北海道と東北の変化が目に留まります。地方別に比べれば、九州・沖縄地方や中国地方の減少幅が比較的小さいことにも気づきます。
しかし、地図をさらに拡大していけば、全国平均や地方平均だけでは見えなかった道路の姿が現れます。
いつも混雑していると思っていた道路。予想以上に多くの車が通る郊外の道路。以前より交通量が増えた道路。反対に、大きく減った道路。故郷へ帰るときに通る道路や、かつて毎日通った学校への道も見つかるかもしれません。
地図をさらに探検していけば、まだ気づいていない地域の特徴や、意外な道路の姿が見つかるかもしれません。
あなたも身近な道路を地図でたどりながら、道路交通量データの中から新しい発見をしてみませんか。
出典・注記
- 国土交通省「令和3年度 全国道路・街路交通情勢調査 一般交通量調査」
- 国土交通省「平成27年度 全国道路・街路交通情勢調査 一般交通量調査」
- 交通量は原則として平日24時間自動車類交通量の上下合計。
- 合計値は各基本区間の「台/日」を合計した延べ交通量であり、固有車両数ではない。
- 2025年度の数値は公式公表後に追加予定。現時点では使用していない。